ブログ 起業・創業

脱サラ・独立開業・起業に必要な資金の目安や相場と知っておきたいリスク

脱サラ・独立開業・起業

バブル崩壊後の不況は途中ITバブルもありましたが、リーマンショックもあって長引きました。会社員の給料も上がらずリストラも多かったので、脱サラや独立開業で活路を見出そうとする人も多くいました。

私もその例に漏れず、サラリーマン生活に早々に別れを告げ個人事業で長く生活の糧を得てきました。

ネット起業は初期投資が少なくて済む

スマホの普及で老若男女誰でもが簡単にインターネットを利用できるので、ネット関連の起業が人気です。

しかし、ネット関連で起業した多くが1年以内に廃業しているのが現実です。

とは言っても、ネット関連での企業は、比較的初期投資が少額で済むので、例え失敗したとしても何度でもやり直すことができます。

初期投資のかかる起業

会社員としての暮らしを捨て、一念発起して起業というとラーメン屋などの飲食店やコンビニなどのフランチャイズ店の経営が思い浮かびます。

コンビニや飲食店を開業した私の友人を見ていると、在庫を抱える商売や店舗内装費等の初期投資のかかる商売は、よほどの経営センスとバランス感覚がないと、成功するのは難しいように感じます。

飲食店の場合、本当に美味しいものを提供していればいつかは……と考えがちです。間違いではないのですが、それよりも大切なのは立地と広告費です。味はそこそこでも立地と広告費を適切に使っていれば商売は成り立ってしまいます。

[outline]

業種ごとの開業資金の目安

業種 開業資金
ネット起業 0~100万円
整体院 10万円~1000万円
ネイルサロン 10万円~300万円
士業 50万円~500万円
ラーメン屋 100万円~1000万円
そば屋 100万円~1000万円
喫茶店 100万円~1000万円
美容室 300万円~2000万円
花屋 300万円~1500万円
雑貨店 300万円~1500万円
セレクトショップ 300万円~1500万円
トレーダー 1000万円~1億円

上記はあくまで開業にかかるお金です。これに生活費や仕入れが必要な商売なら仕入費用、電気・水道・ガスなどの公共料金が必要になってきます。

開業資金は、下記のような理由で必要になる資金が変わってくるため、同じ業種でもやり方によって開業資金に大きな差が出てきます。

  • どこに店を構えるか→繁華街なのか・住宅地なのか・郊外なのか・大通りなのか・路地裏なのか等
  • 物件を賃貸する場合→居抜き物件なのかスケルトン物件なのか、居抜き物件なら使える備品はあるのか、賃貸契約は1年更新なのか、保証金は何ヶ月分か等
  • 人を雇うのか→募集方法はハローワークか民間の求人広告か、時給・固定給、社会保険は等
  • <設備→設備・備品が必要なら新品を買うのか、中古を探すのか等/li>

整体院、ネイルサロン、士業(行政書士・司法書士・社会保険労務士・税理士・公認会計士など)のように特別な設備や器具が必要ない業種については、自宅や実家などを店舗に使えれば開業資金はほとんどかかりません。ホームページからの集客ができれば、あまり広告費もかけずに済みます。

ネット起業はパソコンとインターネット回線があればいいので、今使っている物をそのまま使えば0円から始めることができます。最もリスクが低い業種と言えますが、最も参入障壁の低い業種でもあります。ライバルは日々参入してきますから簡単に成功できるわけではありません。

トレーダーというのは、株やFXなどの投資で利益を上げていくことですが、投資は資金力がないと利益を上げ続けることはできません。30万円や50万円で始めることもできますが、年間200万円以上の利益を上げ続ける為には、最低でも1000万円ぐらいの資金が必要です。

参入障壁とは

ある業種・業態で新たに営業をするのが簡単か難しいかを参入障壁が高い・低いと言います。

例えば、鉄道が大好きだから鉄道事業をやろうと思っても、新規参入はほぼ不可能です。多額のお金が必要というのもありますが、そもそも国の許認可が必要でそれが新たにおりる可能性がほとんどありません。

同様に、国家試験で誰でもが簡単にはできない医師・弁護士・公認会計士なども参入障壁は高いと言えます。

参入障壁が高い、つまり誰でもが簡単にはできない商売は当然ライバルも限られるので需要が極端に少なくなったなどの事態がない限り、売上は安定します。売上が安定すれば、事業の長期計画も立てやすくなりますね。

一方、参入障壁が低い商売の代表格と言えば、飲食業でしょうか。お金と一定の資格(衛生関係や消防法関係)があれば誰でも新たに営業できます。その分、ライバルも多いので売上を安定させるのに苦労します。日々の売上の目処が立たないと長期計画に基づく改装や新メニューの投入も考えづらいので、そのうち飽きられてしまいます。

初期コストとランニングコスト

飲食店や美容院は開業資金などの初期コストがかなり高くなります。

美容院や飲食店の場合、居抜き物件を利用して、水回りやガス・電気などの配管工事などの費用を節約するとしても300万円程度の資金が必要になる場合があります。いくら居抜き物件とは言っても内装も外装もそのままというわけにはいかないからです。

特に外観や内装の雰囲気やイメージで客層が変化・依存する業種の場合、どうしても内外装工事費にお金がかかってしまいます。

また、新規にお店を出す場合、よほどの常連客を連れての独立でもない限り、集客のために立地条件が重要になってくるので、人の集まる駅前などの好立地な場所に出すとなると賃料だけで大きな出費となります。

ランニングコストの多くは人件費なので、自分一人でできるお店であれば抑えることができます。

飲食店の場合だと、繁盛するほど従業員が必要になりますが、従業員が増えるほど運営・管理が大変になりますし、人件費も増えます。

特に従業員の管理は大事です。

TwitterなどのSNSは、いい評判よりも悪い評判のほうが面白半分もあって広まりがちです。経営者としての自分のモラルや態度もそうですが、従業員にも同じものが求められます。些細なことで、ネット上で悪評が広まり炎上して閉店に追い込まれることもあります。

どんなお店でも、始めのうちは知り合いなどが来てくれますが、それも長続きはしません。早いと2週間で閑古鳥がなくなんてことも多くあります。

本当に良い店でないといずれ知り合いも来てくれなくなりますし、新しいお客が来て、さらにリピーターになってくれないと店を継続することはできません。黙ってお店に座っていてもお客さんんが来るわけではありませから、広告を出稿したり、ネットで集客したりが必要になります。

そして、集客がうまくいったら、次は2度目3度目と来ていただけるのかを考えなければいけません。これは、店を畳むまでずっと繰り返していきます。

サラリーマンが最強?

私自身、リクルートという会社で5年ほどの会社員経験しかありませんが、会社勤めが出来る人は独立開業など考えずに会社員を続けるのがいいように感じています。

毎日同じことの繰り返しでなんとなく自由を手に入れたいと思うこともあるかもしれませんが、振り返ってみれば平凡な毎日が幸せだったと実感させられることもあります。

それまでのレールを一度外れると元に戻るのは至難の技です。

もし起業する時は、もう会社員には戻れないと思った方が良いでしょう。それぐらいの覚悟で臨まないと成功はおろか生活もできなくなります。

起業すると自由な時間が手に入るというのも半分本当で半分は嘘です。

自分のお店や会社なので、何時から出社して仕事をしても自由です。

しかし、毎日開店時間の違う店が信用されるかどうか、決まった時間に連絡の取れない会社が信用されるかどうか、と考えてみれば意外と会社員と同じかそれ以上に時間に追われる生活が待っているのです。

実際に、自分のお金で人を雇うとなるとプレッシャーとストレスも半端なものではありません。私は、どれだけ自分が何人もいたらよかったのにと思ったか分りません。

兼業でネット起業

ここまで起業のリスクばかりを紹介してきました。

これを書いている管理人は起業を後悔しているようにも思えますが、私自身は起業してよかったと思っています。生きるも死ぬも自分次第というの追い込まれた環境がどうやら私には向いていたのだと思います。

もちろん誰もが背水の陣のような環境で起業する必要はないわけで、ネット起業のように初期投資の少ないものなら、会社員を続けながら副業としてやっていけると思います。会社員をやりながらだと時間が……どちらも中途半端になってしまうのでは……と思った方は、起業には向いていないので今の生活を充実させることをおすすめします。

初期投資が押さえられるネット起業は、リスクがないように見えますが、自分の時間を無駄にするかもしれないというリスクが当然あります。寝る時間も短くなるでしょうし、恋人との時間・家族との団欒、趣味……にも時間が割けなくなる可能性があります。

人間の持つ資本の中で最も重要なものの一つが時間です。一生はたった3万日しかありません。その限られた時間をどのように使うかはとても大切なことです。

独立開業するにしろ副業を始めるにしろ、有意義な時間を過ごされることをお祈り申し上げます。そのために、当記事がお役に立てば幸いです。

-ブログ, 起業・創業