「Webデザインの職業訓練校って実際のところどうなの?役に立つの?」「どうやって申し込んだらいいの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?
職業訓練校は、Webデザインを基礎から学びたい人や、新しいキャリアをスタートさせたい多くの人が利用しています。
この記事では、職業訓練校で学べる内容や入学してからの流れ、メリット・デメリットについて詳しくお話ししていきます。
よかったら最後までご覧ください。
Webデザインの職業訓練校とは?
職業訓練とは、仕事がない人や収入が不安定な人の就職をサポートするために、国がおこなう支援制度です。
それぞれ訓練を受けるには条件があるので、後ほど解説します。
Webデザインの職業訓練では、Webデザイナーとして就職するために必要なスキルを学ぶことができますよ。
申し込み条件は?
まずは、失業していることが前提です。
そして職業訓練は、2種類あります。
厚生労働省のハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)特設ホームページによると以下の違いがあります。
①公共職業訓練…失業保険をもらっている人向け。
②求職者支援訓練…失業保険をもらえない人向け。
条件は以下の通りです。
・自己都合退職で失業保険の給付期間が3分の1以上残っている
・ハローワークから、職業訓練が必要だと認められている
・過去1年以内に、退校処分(学校や訓練から、強制的に辞めさせられること)を受けていない
・前回の公共職業訓練終了から1年以上経過している
費用は?
公共職業訓練と求職者支援訓練は、いずれも受講料は無料です。
しかし、対象者の違いにより、生活費の支援など受けられる支援に違いがあります。
公共職業訓練
受講料は無料で、教材費など、一部の実費は自己負担となる場合があります。
求職者支援訓練
こちらも受講料は無料ですが、教材費やその他の実費については負担する必要があります。
また、条件を満たす場合は、月額10万円(扶養家族がいる場合は12万円)の職業訓練受講給付金が支給されるため、生活費の補助も受けられる点が特徴です。
また、交通費や託児支援費も追加で支給されることがあります。
〜職業訓練受講給付金の条件〜
職業訓練受講給付金の支給条件は全国で共通しています。
厚生労働省が定めた条件に基づいて支給されるため、地域による違いはありません。具体的な支給条件は以下のとおりです。
収入要件
本人の月収が8万円以下であること。
資産要件
世帯全体の金融資産が300万円以下であること。
住居要件
世帯全体で所有する不動産がないこと(居住用の住宅は除く)。
求職活動要件
訓練受講中に、ハローワークの指導のもと、月に2回以上の求職活動を行うこと。
その他の要件
・世帯の中で他に雇用保険を受給している人がいないこと。
・すでに同じ制度で給付金を受けたことがないこと。
・訓練の出席率が一定以上(原則として80%以上)であること。
参考:職業訓練受講給付金についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html
参考:ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/rishokusha.html
倍率は?
職業訓練校は、一度に受講できる人数の制限があります。
なかでもWebデザインのコースは人気の職業訓練なので倍率が高いです。
倍率が高い場合、筆記試験や面接試験の対策が必要です。
また、定員割れでも喜んではいけません。定員割れなのに選考に落ちることがあります。油断は禁物です。
学習期間は?
Webデザインの職業訓練校の学習期間は、3〜6ヶ月程度です。
Webデザイン職業訓練校の入学までの流れ
職業訓練を受講するまでの流れは以下の通りです。
ちなみに訓練入校日に退職していれば、【説明会】【申し込み】【選考】は在職中でも問題ないとのこと。
退職日が決まっている人は計画的に行動すると、入校までがスムーズです。
1. ハローワークで求職の申し込みをする
職業訓練を受講するには、まず最寄りのハローワークで求職者登録を行う必要があります。
登録に必要なもの
・本人確認書類(免許証やマイナンバーカードなど)
・雇用保険の被保険者証(該当者の場合)
2. ハローワークの相談・職業訓練説明会への参加
自分に合った職業訓練を選ぶため、ハローワークの窓口で相談するか、職業訓練の説明会が行われているので、そちらに参加します。
説明会は1〜2時間程度です。
3. 訓練コースの選定・申し込み
希望する訓練コースが決まったら、ハローワークの窓口で申し込みを行います。
コースによっては、郵送やオンラインでの申し込みが可能です。
4. 面接・書類選考
訓練受講前に面接や筆記試験が行われます。
面接試験は必ずありますが、筆記試験はない場合もあります。
5. 合否の連絡を受け取る
合否の連絡までに大体1週間ほどかかります。
通過した場合は、ハローワークから訓練開始日や場所、必要な持ち物に関する案内が届きます。
6. 職業訓練の受講開始
合格発表から約2週間で開校します。
職業訓練は定められた期間内に、通常フルタイムで行われます。
訓練期間中は、必ず訓練に出席することが求められ、卒業時には修了証が発行されます。
職業訓練校で学べるWebデザインコースの内容
Webデザインの職業訓練校では、Webの基礎知識、実技を学ぶことができます。
具体的には、以下のツールを学ぶことができます。
・Illustrator
・Photoshop
・Fireworks
・Dreamweave
また、HTML、CSSなどについても学習できますが、基本的な部分のみ学習することが多いです。
カリキュラムは学校ごとに異なるので、内容を事前に確認して選びましょう。
職業訓練校でWebデザインを学ぶメリット
①学費がかからない(教材費は別)
Webデザインの職業訓練では、受講料は基本的に無料です。
一方、民間スクールでは数十万円の学費がかかることが多く、経済的な負担が大きくなります。
②失業保険がすぐにもらえる
職業訓練を受けることで、失業保険の受給がスムーズになります。
通常は失業してから一定の待機期間が必要ですが、職業訓練を開始すればすぐに失業保険の給付を受けられる場合があります。
③学割でAdobeやMacが購入できる
職業訓練校の学生として、Adobe Creative CloudやAppleの製品(Macなど)を学割価格で購入できる場合があります。
プロ仕様のソフトや機材を安く手に入れることができ、学習環境を整えやすくなります。
職業訓練校でWebデザインを学ぶデメリット
①週5日通学しなければならない
Webデザインの職業訓練は、平日の週5日、フルタイムで通学する必要があります。
授業は朝から夕方までの8時間程度が一般的です。
特に家事や育児を担う方には負担が大きくなることがあるので、同居する家族の方の理解と協力が不可欠です。
②授業が物足りない場合がある
職業訓練の内容は基本的なWebデザインのスキルが中心で、学ぶ範囲が限られていることもあります。
経験者やもっと高度な技術を学びたいと考える人にとっては、授業内容が物足りなく感じる場合もあります。
③生活費が足りない可能性がある
Webデザインの職業訓練校では、給付金(月額10万円、扶養家族がいる場合は12万円)や失業保険で生活費を補助できます。
しかし、月収8万円以下の収入制限があり自由に働けない場合や、人によっては、支給額が生活費として十分でない場合があります。
さらに出席率80%以上を満たさないと支給が停止されるリスクもあるので注意が必要です。
Webデザインの職業訓練の入学から卒業までの例
Webデザイナー職業訓練校1ヶ月目~
・最初の2週間はパソコンを触らず、社会人マナー、履歴書・職務経歴書の書き方などを学ぶ。
・Webの授業はWebの歴史などから始まり、Webデザインの実践はほぼないことが多い。
Webデザイナー訓練校2か月目~
・本格的にWebデザインやコーディングの基礎を学び始める。
・課題が出されるようになる。
Webデザイナー訓練校3ヶ月目~(卒業制作)
・実践的な学習に入る。
・実際のサイト制作に取り組む。具体的には、初回ヒアリング、コンセプト設定、ワイヤーフレーム作成、デザイン案の作成を行う。
Webデザイナー職業訓練校4ヶ月目~卒業
・最後の1ヶ月は企業の見学や研修に参加をする。
Webデザインの職業訓練に行くと資格は取れるのか?
Webデザインの職業訓練では、資格取得を必須としていない場合が多いようです。
しかし、受講者が希望すれば関連する資格試験を受けられる機会があります。
例えば、以下のような資格取得のチャンスがあります。
・ウェブデザイン技能検定
・Photoshopクリエイター能力認定試験
・Illustratorクリエーター能力認定試験
これらの資格は、訓練を受講すれば自動的に取得できるわけではありません。
あくまでも自分で勉強して、資格試験を受けて、合格する必要があります。
参考:厚生労働省「就職につながるデザイン分野の職業訓練(求職者支援訓練)を受講しませんか」https://www.mhlw.go.jp/content/000875090.pdf
Webデザインの職業訓練に行くと、Webデザイナーとして就職できるか?
Webデザインの職業訓練を受けたら必ずWEBデザイナーとして就職できるわけではありません。
むしろ希望とは異なる職種で働くケースも多いようです。
希望するWebデザイン業界に就職できるかどうかは、学んだスキルの再現性や自分の努力、そしてあとは運しだいです。
もちろん、就職できるかどうかわからないからと言って悲観する必要はありません。
職業訓練を通じて学んだことをベースにして、ポートフォリオを充実させたり、自主学習を継続することで道が開けます。
また、自身のスキルを販売できるココナラ、ランサーズ、クラウドワークスなどを利用して、実践経験を積むのも一つの手です。
まとめ
Webデザインの職業訓練校は、就職を目指す人にとって、無料でWebデザインの基礎を学べる良い機会です。
ただし、職業訓練校だけで全てのスキルを身につけるのは難しく、自主学習が成功へのカギとなります。
入学までの流れ
ハローワークで登録を行い、職業訓練の説明会に参加して、自分に合ったコースを選びます。合否が決まったら、訓練が始まります。
費用・給付金
職業訓練は基本的に無料ですが、教材費などは自己負担です。条件を満たせば月額10万円の給付金も支給されますが、生活費をカバーするには十分ではない場合もあります。
資格取得
職業訓練校で資格取得は可能ですが、あくまで個人の努力次第です。訓練を受けただけで自動的に取得できるわけではありません。
就職支援
訓練を受けた後、Webデザイナーとしてすぐに就職できる保証はありませんが、ポートフォリオの充実や就職支援を通じて、個人の努力次第で就職の可能性は高まります。
職業訓練は新しいキャリアのスタートを切るための手助けをしてくれますが、成功するかどうかは、自分がどれだけ努力するかによって変わってきます。
この記事を読んで、新しいキャリアをスタートさせたい人のきっかけになれば嬉しいです。
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